特車に関わる中で、「個別審査」という言葉を耳にしたことありませんか?
簡単に言うと、「普通の特車申請と違い、国道事務所と自治体の道路管理者で協議が必要」ということで、普通の特車申請と比べて許可までに時間がかかります。
具体的な許可までの期間はこちらのページで解説しています。
当ページでは、どのような場合に個別審査となるかを解説しています。
狭小幅員
要は道路の幅が狭いという事です。申請した特車に対して、道路の有効幅員が狭い場合は、この狭小幅員となります。
曲線障害
申請した特車が、カーブを曲がる際に障害が発生する場合に曲線障害となります。
上空障害
申請した特車の高さが高く、通行経路のトンネルの天井や高架等の高さに余裕があるかどうかを審査します。
交差点
申請した特車が、交差点を通行する際に障害が発生する場合に個別審査案件となります。
高速道路
特車の長さ、幅、高さ、重量等のその特車の各種諸元を総合的に判断し、個別審査対象となります。
橋梁
申請した特車の総重量、寸法に対して、通行する橋梁の強度が足りているか否かが個別審査の対象となります。
通行規制
特車の大きさに関して通行規制がかかったり、危険物輸送の特車を規制したり、昼間の通行を禁止したり(夜間通行は可)各道路管理者により様々なパターンがあります。
未収録道路
特車オンラインシステム上の「道路情報便覧」に登録されていない、未収録道路を通行する場合に個別審査案件となります。
如何でしたでしょうか?行政書士として実務に関わる中で、一番多いのが、「未収録道路」で個別審査案件となる場合です。それでは、「未収録道路」について少し深堀していきましょう。
未収録道路ってどんな道路?
ではまず、道路情報便覧に収録されている場合と未収録の場合の違いを見ていきましょう。
道路情報便覧に収録されている道路の場合
道路情報便覧に収録されている道路というのは、道路に関する情報がデータベース化されているので、国道事務所にて審査が可能になるわけです。
申請者側においても、申請した特車が通行できるかどうか、通行できる場合の条件を事前に知ることができます。この作業を算定といいます。
この収録されている道路のみを特車が通行する場合、国道事務所のみで審査が完了するため、未収録道路を通行する場合に比べ許可までの期間が早くなります。
道路情報便覧に未収録の道路の場合
道路情報便覧に未収録ということは、道路の情報がデータベース化されておらず、国道事務所では道路に関する情報を確認することができません。
このため、「国道事務所⇔未収録道路の道路管理者」の間で特車が通行可能かどうかについての協議が発生してしまいます。
未収録道路は細い道に多い!
感じ方に個人差があるかとは思いますが、未収録道路に多いのは細い道です。
高速道路、国道、主要地方道に関しては、ほぼすべての道路が収録されていますが、一般都道府県道や指定市道にはまだまだ未収録道路があります。
出発地や目的地の前の道路が細い道だなと感じる場合は要注意です!