特車に関わる方なら「新規格車」という単語を耳にしたことはあるかと思います。
当ページでは新規格車に関して解説を行っております。

新規格車とは

皆様がイメージされる一般的なトラックは一般的制限値の範囲で製造されているものがほとんどですが、トラックの中でも一番大きな規格(大型トラック)の場合は、総重量が25tとなり、特殊車両に該当します。

通常であれば、特車申請を行って通行許可を得ないといけないところですが、この規格の車両は「最遠軸距に応じて総重量25tまでの通行」は特車申請なしで自由に行うことができます。

しかし、あくまで特車申請なしで自由に通行されるのは「重さ指定道路」に限定されます。
この「重さ指定道路を特車申請なしで通行できる」というのが実はデメリットにもなりえるのですが…。
詳細は後述します。

トラック(単車)の新規格車

さて、前述しました通り、「最遠軸距に応じて」「総重量25tまで通行可」という2つの要素があります。
新規格車においてはこの最遠軸距が重要になってきます。

 


最遠軸距というには上記赤矢印の寸法のことです。
この寸法によって総重量の考え方が変わります。

最遠軸距長さ新規格車の制限値
最遠軸距<5.5m総重量≦20t
5.5m≦最遠軸距<7.0m9.0m≦長さ総重量≦22t
5.5m≦最遠軸距<7.0m長さ<9.0m総重量≦20t
7.0m≦最遠軸距11.0m≦長さ総重量≦25t
7.0m≦最遠軸距9.0m≦長さ<11.0m総重量≦22t
7.0m≦最遠軸距長さ<9.0m総重量≦20t

新規格車の単車の場合、車両の長さは一般的制限値に収まる為、外観では判断できません。
車検証の記載でも、車両総重量に違いがあるだけで、その他は一般車両と同様です。

この新規格車なのか、一般車両なのかもややこしいポイントですね。

積荷により特車申請は不要です!

さて、新規格車に関して車検証の総重量が25tの場合、おのずと特車に該当するか?というとそういう訳ではありません。あくまで、荷物を積載した時の重量が一般的制限値を超えるかどうかが特車か否かの基準になります。

「車検証の総重量が20t超えでも、実際の荷物を積載した状態で20t未満であれば特車には該当しない」
というのは覚えておきましょう。

もちろん、一般的制限値を超えていないのですから、一般道だろうが何だろうが特車申請は不要です。(特車に該当しない)

連結車(トレーラ)の新規格車

連結車の場合も単車と同様、新規格車両は存在します。
基本的な考え方は単車の場合と同様で、寸法につては一般的制限値を超えませんが、重量については緩和されています。

車種最遠軸距長さ新規格車の制限値
特例5車種8.0m≦最遠軸距9.0m24t<総重量≦25t
特例5車種9.0m≦最遠軸距10.0m25.5t<総重量≦26t
特例5車種以外
の連結車
最遠軸距<5.5m総重量≦20t
特例5車種以外
の連結車
5.5m≦最遠軸距<7.0m9.0m≦長さ総重量≦22t
特例5車種以外
の連結車
5.5m≦最遠軸距<7.0m長さ<9.0m総重量≦20t
特例5車種以外
の連結車
7.0m≦最遠軸距11.0m≦長さ総重量≦25t
特例5車種以外
の連結車
7.0m≦最遠軸距9.0m≦長さ<11.0m総重量≦22t
特例5車種以外
の連結車
7.0m≦最遠軸距長さ<9.0m総重量≦20t

新規格車のデメリット

さて、新規格車はデメリットになることがあると前述しました。
勘のいい方ならここまででお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、新規格車が特車申請不要となるのはあくまで「重さ指定道路」に関してです。

ということは重さ指定道路以外の場合は新規格車でも特車申請が必要となるわけですが、ここで問題が発生します。

特車申請は国道事務所が審査をするからこそ、オンライン申請ができるわけですが、国道はほぼ重さ指定道路である為、国道を通行していても、国道事務所の審査対象とならずオンライン申請ができなくなってしまいます。